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■2009/03/22(日) MTT&SFSの「マラ5」

”MTT”ことマイケル・ティルソン・トーマスと”SFS(サンフランシスコ交響楽団)”について少し前に触れた。
その際に、彼らのマーラー・チクルスに対する期待も記した。
今回は早速入手した彼らの「交響曲第5番」についてのレビューをお届けする。

MTT&SFSのマーラー・チクルスは現在も進行中である。
今まで完了したのは次の通り(カッコ内は録音日時)。

交響曲第1番「巨人」(2001年9月19日~23日[ライヴ])
交響曲第2番「復活」(2004年6月)
交響曲第3番(2002年9月25~29日[ライヴ])
交響曲第4番(2003年9月24~28日[ライヴ])
交響曲第5番(2005年9月28日~10月2日[ライヴ])
交響曲第6番「悲劇的」(2001年9月12日~15日[ライヴ])
交響曲第7番(2005年3月9~12日、DSDレコーディング[ライヴ])
交響曲第9番(2004年9月29日~10月3日)
大地の歌(2007年9月26日~29日[ライヴ])
嘆きの歌(1996年5月29日~31日&6月2日[ライヴ])

上記の通り、主なところは第8番「千人の交響曲」を残すのみとなっている。
レーベルは「Avie」で残念ながら個人的には馴染みがない所。
当然、国内盤も発売されていない。
しかしながら、「HMV」でのレビューは大変好意的なものが多く、ジンマン&チューリヒ・トーンハレ管のものと共に是非一度は聴いてみたいと思っていた。

ものは試しとチョイスしたのは5番。
有名且つ定番的な曲だが、オーディオ的にもすこぶる良い素材である。
■2009/03/22(日) MTT&SFSの「マラ5」_e0002472_15195176.jpg

いやぁ、これは素晴らしい演奏&録音である。
まず、最初に賞賛の言葉を申し上げたい。

表現が陳腐で大変申し訳ないが、個人的に5番では最高の盤だと思う。
それ位、私にぐいぐいと訴求して来たのである。
けれども、演奏自体にはあくどさや必要以上の遅さは全く無い。
逆にすがすがしい程のスッキリしたマーラーである。
にも拘らず、この重厚感は何だろうか・・・。
これは紛れも無くマエストロ達による最高の演奏であると思う。
指揮者のセンスは勿論だが、オケのレベルの高さにはただ驚嘆するばかりである。

MTT&SFSの演奏は、スコアに忠実な、主観を排した演奏だと言われているが、そのようなインプレはここでは全く意味を為さないようだ。
それは一切の論評等を超えた、絶対的な名演だと言える。
一方、音自体は大変ナチュラルで大袈裟な誇張や残響音のコントロール等は全く感じられない。
従って、リアルな印象を一際強めていると言える。
換言すれば、実際のコンサートのイメージなのだ。
加えて、音のバランスも大変自然で好ましい。
細部をことさら強調したような音ではないし、それぞれの楽器群の定位や大きさも実に適切。
確かに、ほんの僅か聴いただけではこの音の良さは分からないかも知れない。
けれども、聴けば聴くほど、その素晴らしさが体感出来ることだろう。
これは今まで聴いたどのレーベルにも似ていない、素晴らしい音だと感じた。

他人の評価はあまりあてにはしない私ではあるが、今回はさすがに自分の情報収集能力の欠如を素直に恥じたいと思う。
この様な素晴らしい演奏が存在するとは全く知らなかった。
マーラーが好きな方は勿論、クラシック音楽愛好者、いや音楽好きの人々、はたまたオーディオ好きの面々まで絶対おすすめしたい一枚である。
個人的には全集で揃えたいと考えている。
Commented by primex64 at 2009-03-24 16:30
ご無沙汰です。

偶然ですが私もMTT/SFSOのマーラーがマイブームで、昨年末に新譜の大地の歌を聴いて以来です。クールで理知的、ストライクゾーンでした w
Commented by danna307 at 2009-03-26 08:56
★primex64さん
いつも有難うございます。
いやいや、偶然ではありません。
何を隠そう、私の背中を押して頂いたのはprimex64さんなのです。
HMVの好意的なレビューを見つつ、どうしようかとずっと迷っていたのですが、そちらのブログを拝見して決心致しました(笑)。
実際、聴いてみて本当に素晴らしかったです。
情報、有難うございました。
今後とも宜しくお願い申し上げます!
by danna307 | 2009-03-22 16:19 | SACD&CD | Comments(2)