2006年 12月 12日
■2006/12/12(火) ATC「SCM12sl」の音

我が家にこのスピーカー(以下SP)が来たのは昨年の6月でした。
従って、はやくも1年半が経過したと言うことになります。
このSPの放出する音を一言で表現するなら「陰影と密度間のある音」とでも申せましょうか。
とにかく私好みの大変良い音で鳴ってくれています。
田舎住まいの私はこの機種を試聴もせずに買った訳ですが、私の目には狂いは無かった、と一人悦に入っている私なのです(笑)。
尚、このインプレをお伝えしている環境がDENONのプリメイン「PMA-2000」を使用したものであることをご了承願います。
もう少し詳しくお話し致しましょう。
私は陰影のある音が好きです。
更に言えば、しなやかな音、換言すれば多少ウェットな音が好きなのかも知れません。
クラシック音楽における弦楽器のさざめきや金管楽器の切ない響き、ジャズにおけるピアノの少々けだるい音、ウッドベースのややくすんだ感じ・・・私の好きな音はまさにこのような音なのです。
このような音の世界を構築してくれる製品はそう多くはないと思います。
約15年前、私はタンノイのSPを使っていました。
フロア型の「カンタベリー15」です。
そう、プレスティッジ・シリーズの名機ですね。
このSPはタンノイの名に恥じない、まさに”いぶし銀”の世界を提供してくれました。
特に音の響きは特筆もので、弦楽器のピチカートの表現には本当にゾクゾクしたものです。
巷で言われている通り、クラシック音楽には絶大なる威力を発揮してくれた訳です。
けれども、何かが足りない・・・。
当時の私は常にそう感じていたのも事実だったのです。
アンプもドライバビリティに優れたものを奢っていましたし、SP自体も能率が大変高い製品でしたので、物理的な解決策は見つかりませんでした。
けれども、私は気付いたのです。
音がSPにへばり付いていることを。
そして、ある意味これはフロア型SPの根源的な宿命であることを。
特にタンノイではそのような傾向が顕著だったようです。

まだまだタンノイの本当の素晴らしさを理解出来ていなかった私は、「カンタベリー15」を手放すこことになってしまったのです・・・。
そして、月日が流れました。
久しぶりにオーディオに復帰した私に「SCM12sl」は色々なことを教えてくれました。
音楽の素晴らしさや美しさは勿論、その背後に潜む様々なモノ・・・。
私もようやく本当の意味で音楽と対峙出来る年齢になったのかも知れません。
このSPは私に音楽の本質を訥々と語りかけてくれます。

このSPはレンジは決して広くはありません。
又、タイプとしては”音場型”ではなく”音像型”だと思います。
しっかりとした音を構築しながらも、しなやかで陰影溢れる音・・・つまり相反する要素を見事に両立させているのです。
更に、音離れの良さは特筆もので、両SP間には凝縮された音の空間が出現するのです。
勿論、放出される音はまさに音楽的且つオーディオ的にもすこぶる満足出来る音。
これは素晴らしい!
かねてからATCのSPの素晴らしさは聞き知ってはいましたが、実際に体験して正直驚きました。
しかも、それほど高価な訳でもない。
確かに仕上げはそっけないし、存在としては非常に地味かも知れません。
又、音的にも高音の微粒子が眩しいくらいにきらめくものでもありません。
けれども、一度このSPが発する音を耳にしたら、好きな方はとことん好きになってしまう・・・そう言う感じでしょうか。
おまけに、このSPの低音が又素晴らしい!
密閉型であるにもかかわらず、その低音の量感が実に適切なのです。
勿論、サイズがサイズですから”豊かな低音”と言う訳にはいきませんが、それでも十分納得出来るものです。
私はこれまでもいくつかの密閉型SP(セレッションSL-700やヤマハNS-1000X等)を使って来ました。
このSPの音は、私の密閉型に対する私のこれまでの不満を払拭するに十分であったことを正直に告白せねばなりますまい。
今の私はこのSPに出会えて本当に幸せです。
多分、(壊れるまで)一生使い続けることでしょう。
それは私にとってさながら”人生の師”のようなものかも知れません。
やはり、オーディオの世界は深い。
だから止められない、とも申せましょう(苦笑)。
そして、いつの日かATCのフロア型SPも使ってみたい・・・そのような野望を密かに抱いている私なのでありました(苦笑)。
★ATC「SCM12sl」について詳しく知りたい方はコチラ。
★タンノイ「カンタベリー15」について知りたい方はコチラ(但し”HE”モデルです)。
by danna307
| 2006-12-12 00:13
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