■2006/11/24(金) 愛聴盤紹介(6):バーンスタインのマーラー第4交響曲

今日から「音楽」カテゴリーから「愛聴盤紹介」のコーナーを独立させました。
更新頻度は多くはないかとは思いますが、個人的に”これは!”と言うディスクをCD、DVD分け隔てなくご紹介していきたいと思います。
さて、6回目の本日はバーンスタインのマーラー(グラモフォン:発売元ユニヴァーサルクラシック)です。
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おすすめするのは交響曲第4番。
別名「喜びの歌」と言われています。
録音は1987年6月。
バーンスタイン晩年のアムステルダムに於けるライヴ録音となっております。
バーンスタインのマーラーと言えば、独特の重さを伴った解釈が有名です。
特に比較的テンポを遅くとり、泥沼のような混迷を極めたマーラー観が見え隠れする・・・そんな評判が聞こえて来るようです。
これは同様に今は亡きクラウス・テンシュテットの解釈にも相通ずる一面があるのではないでしょうか。
そもそもバーンスタインはマーラーと同じユダヤ人であり、彼等でなくては到底理解し得ない、深い部分での捉え方と言うものがあるのかも知れません。

何はともあれ、ここ10年で一番私が聴いている一枚なのです。
録音は僅かながら古さを感じさせるものではありますが、デジタル録音の良いところが随所に出ている、そんな感じです。
一言で言えば、ロイヤル(当時はアムステルダム)・コンセルトヘボウ管弦楽団の独特の音色が存分に楽しめます。
同オケはぞの本拠地であるアムステルダム・コンセルトヘボウ(要するに専用ホール)の音響的特徴が大いに録音に影響することが知られています。
つまり、このホールにはややくすんだ渋めの残響音があるのです。
それはサントリーホールのような澄んだ残響音ではありません。
古い木造建築物のみが持ち得る、独特の音と申せましょう。

曲全体が聴き所満載なのですが、敢えて言うならば第一楽章が素晴らしい。
マーラーとしては比較的小編成のオケとなっており、その分、聴きやすい、かつ明るめの曲です。
小編成ならではの弦楽器の織り成す陰影や音のさざめきが誠に清々しさを伝えます。
ところどころに入るピチカートも大変効果的で、オーディオ的にも思わず頷いてしまいます(笑)。
打楽器の類もあまり入らず、ひたすら弦楽器と木管楽器のコラボレーションに彩られていきます・・・。
前述のホールトーンも本当に美しく、消え入るような弱音も怒涛のような全強奏もただただ圧倒的な表現力で押し寄せて来るのです。
バーンスタインの解釈は決して派手さや重々しさが勝ったものではなく、実に端正かつ入念な仕上がりを見せます。
そして、私はこの曲の第1楽章を聴くと「ああ、クラシック音楽は何て素晴らしいんだ・・・。」と賛嘆の念を禁じ得ません。

ところで、第4楽章のボーイソプラノの起用は賛否両論を巻き起こしたのも記憶に新しい所ですが、個人的には何の違和感もなくすーっと耳に入って来ます。
そしてやがて音はだんだんと小さくなっていき静寂の中へと聴く者を導いて終わります。

マーラーの楽曲は確かに重々しいものが多い。
おまけに曲全体の抑揚が大きく、普通の交響曲を聴き慣れた方々には一種異様な印象をも与えるかも知れません。
けれども、この曲は大変愛らしい、清々しい曲だと言えましょう。
マーラーの入門用の1曲として絶好の1枚かと存じます。
今は値段も下がって(ジャケットは旧盤のもの)大変買い易くなっており、おすすめです。

必ずや、貴方のマーラーの世界への道標となることでしょう!
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by danna307 | 2006-11-24 16:19