2005年 11月 24日
■2005/11/24(木) ムターのモーツァルト
つい最近、クラシックの新譜を紹介する番組があり、ムターのヴァイオリン協奏曲全集を聴いた。
(ちなみに私はミュージックバードの番組は全てMDLPで録音している。)
これがなかなかいい。
彼女は14歳のときにカラヤン&BPOをバックにモーツァルトの協奏曲を録音している。
従って、彼女にとっては約30年振りの2回目の録音となる。
今回のバックを務めるのはLPO。
指揮はムター自身、所謂”弾き振り”だ。
まずは最初の2番を聴く。
今までの彼女のイメージとはかなり違うのにまず驚かされる。
実に芳醇&甘美な音色で思わず聞き惚れてしまったほどだ。
おまけにオケもなかなかいい。
録音も素晴らしい。
これまではクレーメル&アーノンクール&VPOを聴いて来たが、それを遥かに上回るくらいの印象なのだ。
今年一番の話題盤と言う触れ込みで発売されているらしいが、その文句も成る程頷ける。
興味が沸いてきて、ムターについて調べてみた。
彼女はかのカラヤンに見出されて華々しくデビューしたのは70年代の後半。
ああ、俺と同じ歳なんだぁ(笑)。
デビュー当時の幼い天才少女は40歳を少しだけ過ぎ、実に素敵な女性へと変貌を遂げていた。
しかしながら、天才の名を欲しいままにして来た彼女でさえ、これまでの人生において不遇な時代があったらしい。
1996年には最愛の夫を病気で亡くし、失意のどん底であったこと。
それに関係してか、90年代半ば頃までの彼女の演奏は酷評されたこと。
それを乗り越えて、2002年にアンドレ・プレヴィンと再婚したこと。
そして、今、彼女はまさしく円熟期を迎えていること。
う~ん。
音楽の表現は人生そのものを表す・・・と言うことか。
やはり、音楽は素晴らしい。