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少し話題が遅きに失した感があるが、今日はビートルズのリマスターについて触れてみたい。

買い求めたのは「アビイ・ロード」。
そう、彼らの最後のアルバムである。
(但し、発売時期自体は「レット・イット・ビー」の方が遅い。)
このアルバムは1987年の初CD盤において、作品の充実度は勿論、録音自体も最高にランクされるものであった。
今回、それ以来のリマスターが行われた訳だが、SACDやSHM-CDではなく、あくまでも通常CDとして発売されたのが却って拘りを感じさせる。

9月9日の世界同時発売初日に地元の某店で買ってみた。
噂の紙ジャケではあったが、正直、作りはイマイチだと言わざるを得ない。
この夏に発売されたカーペンターズの再発モノは全作オリジナル仕様の非常に完成度の高いものだった。
但し、その分値段はやや高めではあったが。
今回発売された商品ラインは「ステレオボックス」とその分売、そして「モノボックス」の3種類であった訳だが、ジャケット的には「モノボックス」の作りが素晴らしいらしい。
個人的には「モノボックス」は関心がないので購入には至ってはいない。
いずれにしても、「ステレオボックス」のジャケットは紙質がやや薄めで、対訳等が入っている方(つまり見開きした場合の左側)の作りがあまり褒められたものではないと感じられる。
XRCDの如き”デジパック仕様”までとはいかないにしても、もう少しカッチリした感じが欲しいと思うのは私だけではあるまい。

さて、肝心の音であるが、こちらは文句なしに素晴らしい。
単にレンジの上と下を伸ばした音でないことは一聴して理解出来る。
それは高音質のアナログレコードを彷彿とさせる、非常に芯のある安定した音だ。
特に1曲目は「Come Together」である為、今回のリマスターの効果は冒頭からビシバシ伝わって来る。
まるで最新録音かと聞き違える様なドラムのタム、うねる様なベースライン、大口にならないヴォーカル、全体的な音の厚み・・・どれを取ってもリマスターの効果は大変大きく、それはこの仕事に携わった人々の丁寧さを垣間見る思いなのだ!
これまでもロック史に燦然と輝く「アビイ・ロード」であったが、今回のリマスターはその輝きに更に磨きをかけたことは間違いあるまい。

とにかく、音楽好きなら聴くべきである。
特に今回のリマスターは絶対おすすめだ。
演奏と録音が非常に高い次元でバランスした、歴史に残る名盤中の名盤である。
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因みに、私は旧盤も勿論所有している。
こうして2枚を聴き比べてみると「もう後戻り出来ない・・・」と強く感じる。
ビートルズの87年盤のCDは、これまでも音の薄さ等が度々指摘されて来た。
確かにそう言う意味では、今回のリマスターはそうしたマニアの溜飲を十分に下げるものであると断言出来よう。
かく言う私も、このリマスターされたCDの素晴らしさに、少なからずの驚きと感動を禁じ得ない。
私自身、このような時代に生きることが出来て本当に有難いと感じずにはいられない。

<曲目>
1. カム・トゥゲザー
2. サムシング
3. マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー
4. オー!ダーリン
5. オクトパス・ガーデン
6. アイ・ウォント・ユー
7. ヒア・カムズ・ザ・サン
8. ビコーズ
9. ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー
10. サン・キング
11. ミーン・ミスター・マスタード
12. ポリシーン・パン
13. シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー
14. ゴールデン・スランバー
15. キャリー・ザット・ウェイト
16. ジ・エンド
17. ハー・マジェスティ
18. (エンハンスド)アビイ・ロード:ミニ・ドキュメンタリー映像

★CD発売日:2009/09/09
★収録時間: 47 分
★通常盤CD

★追記
今回のリマスターの良さを存分に味わえるのはやはり「アビイ・ロード」だと思う。
元々の音源が彼らにおいては最高レベルで、楽曲的にもデモ効果が高い。
全曲、聴き所満載なのだが、敢えて申し上げるならば、個人的おすすめ曲は1~3、7~10辺りだと思う。
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by danna307 | 2009-11-15 23:57 | Comments(0)

人間、モノを理解するには時間が必要な場合があるらしい。
言い換えれば、若年期には無価値に思えたものが、中高年期には大きな価値を見出したりすることだろう。

このような傾向は音楽や文学において特に顕著なのではないかと思う。
今回取り上げるマイルス・デイヴィス(以下”マイルス”)の「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」も私にとってまさにそう言う一枚だ。

マイルスのことは、当ブログで今更触れる必要はあるまい。
とにもかくにも、ジャズ界の偉人である。
そして、本アルバムは彼のCBSへにおけるデビュー盤にあたる。
録音は1955年10月と1956年6月&9月。
惜しいかなその音はモノラルである。
しかし、ステレオ録音であることの必要性を全く感じさせない、実に素晴らしいアルバムだ。
先程、モノラル録音と書いたが、恐らくモノラルでの最高音質の一つなのではないだろうか。
マイルスの目指したであろう、クールで知的、かつ実にセンスの良い演奏が繰り広げられている。
その内容についても、ここでは敢えて触れない。

勿論、本作については以前からCDを所有していた。
但し、それは結構古いヴァージョンであった。
(裏ジャケットが黒いもので恐らく1990年前後発売のものだろうと推測される。)
音は可も無く不可も無く、と言うもので、単なるコレクションの1枚であった訳だ。
けれども、リマスター盤が欲しくなり、SACDを探したが入手困難だと分かり、今回の1枚を購入した次第。
本作は2005年6月発売の未発表の4曲を加えたもので、音質は前述の通り、かなり良い。
加えて「24bitリマスター(DSDリマスタリングではない)」でSNが大幅に改善されている。
結果的に、Dレンジの拡大にもつながっている訳だ。
にもかかわらず、音のトゲトゲしさが全くないのは大いに好感が持てる。
最近の技術の進歩に驚くとともに、リマスターに関わったエンジニアのセンスを感じる。
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実は最近、このアルバムばかり聴いているのだ。
このアルバムこそ、マイルスのエッセンスがもっとも凝縮された1枚だと思える。
しかも、未発表の4曲が加わり、ほぼ1時間、素晴らしいひとときが過ごせるのだから堪らない!
自分自身、若いときにはこれ程の良さを本作には見出せなかった。
けれども、今は全く異なる。
”音楽の本質”とでも言うべきものに、ほんの僅かではあるが少しばかり近付いたのであろうか・・・。

ジャズの本流を知るべき、まさにおすすめの1枚である。

<曲目>
1. ラウンド・アバウト・ミッドナイト
2. アー・リュー・チャ
3. オール・オブ・ユー
4. バイ・バイ・ブラックバード
5. タッズ・デライト
6. ディア・オールド・ストックホルム
7. トゥー・ベース・ヒット
8. リトル・メロネー
9. バッドオー
10. スウィート・スー,ジャスト・ユー

★CD発売日:2005/6/22
★収録時間: 58 分
★通常盤CD
★マイルスのアルバムはSACDを含めて様々なヴァージョンのCDがあるのでご注意を。
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by danna307 | 2009-08-28 14:23 | Comments(0)

現代は才色兼備の女性が何と多いことか!

今回、ご紹介するジェーン・モンハイトもまさしくそのような女性だろう。
まぁ、外観はここでは敢えて触れないが、とにかく歌が上手い。
彼女のような歌い手を単に「上手い」と表現してしまえば、途端に陳腐なものとなってしまう(笑)。
それ位、近年稀にみる実力派シンガーだと思う。
本作はそんな彼女が2004年に発表した傑作アルバムである。
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<曲目>
1. ハニー・サックル・ローズ
2. イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト
3. テイキング・ザ・チャンス・オン・ラヴ
4. ビル
5. アイ・ウォント・ダンス
6. トゥー・レイト・ナウ
7. ホワイ・キャント・ユー・ビヘイヴ?
8. ドゥ・アイ・ラヴ・ユー
9. アイ・シュッド・ケア
10. ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー
11. エムブレイサブル・ユー
12. ダンシング・イン・ザ・ダーク
13. アイ・ウィッシュ・アイ・ワー・イン・ラヴ・アゲイン
14. オーヴァー・ザ・レインボウ

本作は特に映画関連の名曲を中心に歌ったものだが、利き腕のミュージシャン達と組んだ、なかなか豪華な構成の1枚だと言える。
まぁ、1曲目の冒頭、ベースの音を聴いたとたんに、貴方はこのアルバムが並外れたクオリティを持つことを瞬時に理解することだろう。。
とにかく彼女の歌の上手さは一聴に値する。
更に、選曲も本当に素晴らしい。実に素敵である!
加えて、演奏&アレンジも絶妙。
そして、とても大切なことなのだが・・・本作は録音が秀逸なのである。
それは本作が、かの「Stereo Sound」のチェックCDに使われていることでも明らかなのだ。

実は、私は本作の存在を長い間知りながら、何故かこれまで縁が無かった。
つい最近、思い出したように買い求め、今更ながら本作の素晴らしさを知ったのである。
ここ10年で演奏と録音の両面において、最高のクオリティと言ってよい1枚である。
「最近のジャズヴォーカルはちょっと・・・」と仰る貴方に是非、聴いて頂きたい。
買って絶対損をしない1枚だと、自信を持っておすすめしたい。

★日本盤発売日:2004年10月6日
★演奏時間:58分
★通常盤CD
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by danna307 | 2009-06-28 23:45 | Comments(0)

私は所謂「80's(エイティーズ)」大好きな人間なのだが、数あるアルバムの中でたった1枚を挙げるなら、本作を推す。
クリストファー・クロスの「南から来た男」である。

このアルバムは高校生の頃、地元のレコード店でLPを買い求めた。
あのときの興奮は今でも昨日のようにハッキリと覚えている。
当時、私はろくに勉強もせずに毎日「FEN」を聴いていた。
そして、土曜日深夜は「American Top 40」に耳を傾けていたのだ。
因みに、同番組は2つ続けて聴く事が出来た。
何故なら、土曜日11時から「ラジオ日本」で湯川れい子の司会で27時まであり、27時から朝の6時まで「FEN」であったからなのだ(オンエア時間は或いは記憶違いがあるかも知れない)。
まぁ、当時の私はなかなかディープな週末を過ごしていた訳だ(笑)。

さて、前置きが長くなってしまった。

上記のように、本作はなかなか洒落た邦題を付けられているが、オリジナルは「Christopher Cross」である。
海の向こうでは、ファーストアルバムではミュージシャン自身の名前を付けることが多い。
本作もその例外ではなく、作る側からすれば「そう大したヒットはしないのではないか」と言うニュアンスも感じられないこともない。
しかしながら、本作を引っさげてデビューした彼は非常に大きな成功を収めたのであった。

本作のそれぞれの楽曲の素晴らしさは言うまでもない。
そして、彼独特の透き通るようなヴォーカル。
バックの演奏の充実度も特筆モノだ。
勿論、ジャケットの美しさと独創性は今でも語り草だと言えよう。
蛇足だが、時として彼は「もっとも成功したAORシンガー」と評されるそうだ。
確かに頷ける話だ。
但し、彼は(当時は)甘い声から想像するようなルックスでは必ずしもなかった為、大きな議論を呼んだことが懐かしく思い出される・・・。
今の時代であれば、そのようなことは取るに足りないことなのだろうが。
まぁ、それだけ当時は保守的な時代だったのだろう。

<曲目>
1. セイ・ユール・ビー・マイン
2. 愛はまぼろし
3. スピニング
4. もう二度と
5. 哀れなシャーリー
6. 風立ちぬ
7. ライト・イズ・オン
8. セイリング
9. ジゴロの芸人

今回、本作を取り上げたのは「SHM-CD」で再発されたからである。
勿論、音質的に大きな興味があったからに他ならない。
特に、今回はリマスターは為されていないので、純粋に新しい素材による変化が伺えると考えたのだ。

結論から言えば、「素晴らしい」の一言に尽きる。
私はこのアルバムが大好きで、少しでも良い音で聴くべく、様々な努力をして来たつもりである。
けれども、LP、CDを問わず、満足出来るような音はついぞこれまで聴けなかったのだ。
そして、最近は半分諦めていたのも事実。
そんな時に「SHM-CD」で再発されるニュースを聞き、ひたすらその発売を心待ちにしていたのだ。

確かに「SHM-CD」の効果については賛否両論ある。
私もそのことについては異論はない。
けれども、本作については(たとえリマスターはされてなくとも)その効果は大変大きいと感じた。
まず、音に潤いがある。
そう、一音一音が非常にしっとりしているのだ。
まさに私が求めていたのはこの音なのだ!
加えて、音の厚みと躍動感が素晴らしい。
そして、程よい解像度とレンジ感の拡大。
極め付けは、生命力溢れる清澄な彼のヴォーカルであろう。
う~ん、四半世紀以上も前の音源とは、とても思えない。
これまでの平板で乾いた硬い音は何だったのだろうか・・・。

ポップス好きの人間には絶対外せない1枚である。
是非、高音質化した本作を聴いて頂きたい。

★SHM-CD発売日:2008年12月17日(オリジナルLPは1979年)
★演奏時間:約39分
★限定盤
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by danna307 | 2009-06-27 23:02 | Comments(0)

今回はキース・ジャレット・トリオのライヴアルバム「My Foolish Heart 」をご紹介する。

人間、様々な要因で”縁が無い”ことがある。
それが特にどうでも良いモノとの関係であれば、それまでだろう。
しかしながら、価値のあるモノ、素晴らしいモノと縁が無かったとしたら、それはある意味大きな損失だと思う。

実は私はこのアルバムの存在を知りながら、何故か今まで縁が無かった。
ふとしたことでお店で買い求め、自宅で聴いてその充実度に感嘆した次第である。

キース・ジャレット(以下キース)が例の病から復帰した後のライヴの模様を収めたものである。
場所はモントルーのフェスティバル。
私はキースの復帰後の演奏を収録したアルバムを何枚か持っているが、個人的な感想としては正直あまり良いとは思えなかった。
所謂「ジャズ・ディスク大賞」を連続で獲得した数枚も演奏・録音ともに私は納得出来るものではなかった。
必然的に、頻繁に聴くものとしては80年代後半のアルバムばかりとなってしまっていた。
勿論、当時の演奏は病の前で、聴き手を圧倒するその素晴らしさは言うまでもなかった。
但し、いくら演奏が素晴らしいとは言っても、80年代の録音であるが故に、一種音の古さ加減は如何ともし難く、時代を感じていたのも正直なところであったと言って良い。

本アルバムの一番の聴き所はピアノの音だと思う。
限りなくリアルである。
個人的にはキースの録音では一番の出来だと感じる。
音色、響き、間接音、直接音・・・。
まさにえも言われぬ程の美しさ、熱さ、臨場感である。
80年代のものや、上記大賞を獲得した盤では、どうしてもピアノの音が硬く、浅かった。
それが、本盤では見事に解消されている。
収録自体は2001年だが、発売は2007年だから、そこにはかなり試行錯誤があったのかも知れない。
今やSACDをはじめ様々な種類のメディアが流通している。
本盤は”通常CD”である。
にも拘らず、その音は深く、豊かである。
的確なドラムスの音。
程よい量感のあるベース。
今、私の一押しのアルバムである。

演奏自体も素晴らしい。
それは80年代後半の絶頂期に勝るとも劣らないものだ。
確かに”予定調和”云々、と言える部分もあるかも知れぬ。
けれども、それがどうしたと言うのか!
第三者の勝手な評論を遥かに超えた、純粋な音楽世界がここには展開されていると思う。

唯一、惜しむらくは選曲の点において「?」と思えるような部分があることだ。
その意図は演奏者自身でなければ分からないことだろう。
そして、その点のみを取り上げることは誠に滑稽なことであるとさえ思えて来る。
聴き手としては、このような素晴らしいアルバムを届けてくれたキースに対してただただ感謝したい。
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<曲目>
ディスク:1
1. Four
2. My Foolish Heart
3. Oleo
4. What's New
5. The Song Is You
6. Ain't Misbehavin'
ディスク:2
1. Honeysuckle Rose
2. You Took Advantage Of Me
3. Straight, No Chaser
4. Five Brothers
5. Guess I'll Hang My Tears Out To Dry
6. On Green Dolphin Street
7. Only The Lonely

<パーソネル>
キース・ジャレット(p)
ゲイリー・ピーコック(b)
ジャック・ディジョネット(ds)

<録音>
2001年7月22日、モントルー・ジャズ・フェスティバル・ライヴから

★2007年10月16日発売
★演奏時間:約108分(2枚組)
★通常盤CD
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by danna307 | 2009-06-18 23:13 | Comments(2)

ダイアナ・クラールは大好きな女性シンガーの一人だ。
彼女のアルバムは(結婚前のものは)殆ど持っているはずだ。

特に当ブログのSACDレビューでもご紹介している「When I Look in Your Eyes 」は本当に傑作だと思う。
グラミー賞受賞作の「The Look Of Love」も大変素晴らしく、本当に何回も聴いたものだ。
今回の新譜は、彼女が結婚後の新しい路線から再び原点回帰したとの評判で大いに期待していた。
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<曲目>
1. いつかどこかで
2. トゥー・マーヴェラス・フォー・ワーズ
3. アイヴ・グロウン・アカスタムド・トゥ・ヒズ・フェイス
4. イパネマの少年
5. ウォーク・オン・バイ
6. ユーアー・マイ・スリル
7. まなざし
8. ソー・ナイス(サマー・サンバ)
9. クワイエット・ナイツ(コルコヴァード)
10. ゲス・アイル・ハング・マイ・ティアーズ・アウト・トゥ・ドライ
11. 傷心の日々 (ボーナス・トラック)
12. エヴリ・タイム・ウィ・セイ・グッドバイ (ボーナストラック)
13. アイ・シー・ユア・フェイス・ビフォア・ミー (日本盤のみボーナス・トラック)
★2009年3月25日発売
★演奏時間:約60分
★SHM-CD(初回限定盤DVD付)

本レビューは、可能な限り私の気持ちを正直に綴りたい。
従って「良いものは良い、悪いものはそれなりに」をモットーにしたいと考えている。

さて、本CDは一言で言えば”可も無く不可も無く”と言う感想だ。
実際、アマゾンのレビューを見て「イケル!」と判断はした。
しかしながら、私の耳に聴こえてきたのは、平凡な楽曲の数々だった。

正直なところ、私の期待が大き過ぎたのかも知れない。
要は、演奏に緊迫感や凝縮感があまり感じられないのだ。
(ハッキリ言えば期待外れだった訳だ。)
確かに歌は巧いし、バックの演奏も良い、アレンジもなかなかのものだ。
けれども、聴き手にグッと来るものが無い・・・。

お洒落なBGMには最適な1枚だろうが、主観的に全く納得出来ない1枚である。
次回作に期待しよう。

★今回は非常に辛口なコメントだが、あくまでも個人的な主観に基づくものである。ご了承願いたい。
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by danna307 | 2009-05-22 23:58 | Comments(0)

我がシステムで再生する通常CDの音はなかなか侮れないことがお伝えした通りである。
勿論、私の駄耳での判断なので、あくまでも”個人差”の範囲内のお話なのかも知れない(笑)。
まぁ、そんなことは置いといて早速第1回のレビューをお届けしたい。

記念すべき第1回に何を取り上げるか悩んだが、結局、ポリーニのモーツァルトを選んだ。
本CDが発売されたのが2008年3月なので、もう1年以上前の旧譜である。
しかしながら、最近のクラシックにおいては絶対に外せない1枚であると思う。
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★指揮とピアノ:マウリツィオ・ポリーニ
★管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
★曲目
 ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
 ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
★録音:2007年ムジークフェラインザールにてライヴ録音
★2008年3月5日発売
★演奏時間:約55分
★通常CD

私の場合(と言うより、オーディオ好きの方は皆そうだろう)、演奏と録音が両立したディスクをひたすら探しているのである。
このディスクはそんな意味において、まさに”ビンゴ”の1枚だと自信を持っておすすめ出来る。
ポリーニのモーツァルトと言えば、ベームと組んだ70年代の名盤がある。
残念ながら、私はそちらは聴いた記憶がない。
けれども、このCDはそちらを聴いているいないに関わらず、非常に新鮮な感動を与えてくれるものだ。

昔は貴公子然ともてはやされたポリーニも、もはや誰もが認める円熟の境地に入った。
従って、最近の演奏(ショパンは勿論、ブラームスのピアノ協奏曲やベートーヴェンのそれも)は大変な充実度であると思う。
ここでのモーツァルトも彼の演奏の素晴らしさが際立ったものだと言える。
とにかく響きが美しく、何とも言えないしなやかさが横溢している。
これをモーツァルトらしいと言わずに何と言おう。
それくらい、充実し切った演奏である。
ウィーン・フィルとの呼吸もピッタリで、非のつけどころがない。
収録はライヴだが、かえって程よい緊張感が感じられると共に、ポリーニの唸り声もリアルでなかなか良い。
聴き始めると、55分間があっと言う間に過ぎてしまう。

録音もとにかく素晴らしい。
一言で表現するならば、従来の音の限界を打ち破ったような印象である。
音は立体的で、音場もSPの向こうにしっかりと広がる。
(我が家のSPは音像型であるはずなのに、このような感じ。)
各楽器の音色も非常に繊細だが、コントラバス等の力感もちゃんと出るのだ。
加えて、ライヴ録音の効果か生演奏的な音であり、いつものDGGの虚構的な感じが少ない。
う~ん、これは素晴らしい!

一方、弦のしなやかな響きと転がる様なピアノの柔らかい音が絶妙だ。
言葉にすれば陳腐だが、とにかく一聴に値する演奏である。
空間に溶け込んで行く間接音も大変美しく、ムジークフェラインザール(ウィーン学友協会大ホール)の音の素晴らしさを改めて知る思いだ。
DGG(ドイッチェグラモフォン)の音は美音系で、確かに”嘘っぽい”音の傾向にはあると思う。
けれども、本当に良いものは、そうそう簡単には否定出来ないのが正直なところ。
CDが生まれて四半世紀強、オーディオ的な音の嗜好を超えた次元に位置する1枚だと言えよう。

これぞSACDと聴きまごう1枚だと思う。
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by danna307 | 2009-05-21 23:23 | Comments(0)

昨日の記事でも書いたが、最近「CDフォーマット」を見直している。

以前、「SACDレビュー」をカテゴリーに加えたが、今度は通常のCDについて触れる「CDソフトレビュー」を追加することにした。

対象となるものはSACDやDVD-AUDIO以外である。
具体的に言えば・・・
一般CD
SHM-CD
HQ-CD
ブルースペックCD
XRCD
等々である。

基本的に新譜中心になるとは思うが、旧譜も勿論取り上げるつもりである。
乞う、ご期待!
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by danna307 | 2009-05-18 23:30 | Comments(0)

私はキース・ジャレットの音楽が好きだ。
彼とECM特有の音がまさにマッチしていることも大きな要因だろう。
特に82年以降のトリオによるスタンダード演奏はどれも素晴らしいと思う。
その中でも本日ご紹介する「Standards Live」は文字通りの”白眉”である。

個人的には「Still Live」が彼らのベストではないか、と長年考えていた。
演奏と録音が見事に両立した、本当に素晴らしいアルバムだ。
こちらは86年、ミュンヘンにおける収録。
しかし、内容と音の良さは大いに賞賛するけれども、個人的には2枚組なのが少々不満であった。
何故なら、盤を交換するのが面倒だからである。
しかも、それぞれの収録時間は比較的短い。
加えて、ピアノの音が少しばかり硬質。
空間の感じは大変良いのだが、もう少しピアノ自体の音に”丸み”が欲しい。
そう言う訳で、最近はこのアルバムを聴く頻度が下がっていたのである。

けれども、その代わりと言っては何だが彼らの別なアルバムを好んで聴いている。
それは最初にご紹介した「Standards Live」である。
このアルバムは彼ら(トリオ)の最初のライヴ盤。
確か85年、パリでの録音だっただろうか。
本作はスイングジャーナル社主催の「ジャズ・ディスク大賞・金賞」を受賞した名盤なのだが、彼らの演奏が既にこの時点で完成していたことが十分に窺われる。
何より彼らの若さ、エネルギー、センス・・・まさに絶頂期なのだ。
更に録音も実にいい。
ステージ上で聴く様なバランスで、ベースの量感をたっぷりとったもの。
勿論、ピアノの音も大変美しいし、且つ何とも言えぬ”丸み”があり、適度にカッチリしている。
ドラムスの音の輪郭も非常に好ましい。
実は本作が「SHM-CD」で再発され、今更ながらその完成度の高さを認識した次第なのである。
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<曲目>
1. 星影のステラ
2. ザ・ロング・ブルース
3. 恋に恋して
4. トゥー・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ
5. 今宵の君は
6. オールド・カントリー

例の”病気”から奇跡のカムバックを果たした後のキースの演奏も確かに素晴らしいとは思う。
しかしながら、人間には誰でもピークがあろう。
その意味では、まさしく本作の頃がそうであったことは間違いない。

選曲のセンス。
曲順の良さ。
音楽の躍動。
大変しなやかなピアノ。
濃密この上ない3人のコラボレーション。
秀逸なジャケットデザイン。

まぁ、キースの唸り声が盛大に入っていることはご愛嬌として、それだけ彼が絶頂期を迎えていた証拠だとも思える。
彼の唸り声を嫌う方も多いが、そのような好き嫌いを超えた音楽がここにはある。

数あるライヴ盤の中でも一際輝く、まさに”金字塔”であると思う。
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by danna307 | 2009-02-27 23:03 | Comments(2)

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■曲目
1. モーツァルト作曲・ディヴェルティメント第15番K.287
2. 同・セレナーデ「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」K.525
(いずれも80年代のデジタル録音)

最近、このCDばかり聴いている(残念ながら国内盤は現在廃盤)。

以前はカラヤン・・・と聞けば「フ~ン」とそれっきりであった。
けれども、システムが替わったこともあり偶然聴いたこのアルバムで彼の演奏に見事にはまってしまった。

とにかく”流麗”かつ”甘美”な響きに魅了される。
ベルリン・フィルをここまで意のままに操れるのは本当に大したものだ。
今更ながら、彼の手腕とベルリン・フィルの素晴らしさに感銘を受けている私である。

カラヤンもモーツァルトも同じザルツブルクの生まれ。
これは神が与えた給うた偶然なのだろうか?
それはとにかく、モーツァルトのこの楽曲で紡ぎ出される音の素晴らしさと言ったら!
弦はしなやかで芳醇な響きに満ち、時にはさながら糸を引くが如く咽び鳴く。
音の空間はあたかも神聖であくまでも冷徹な印象ではあるが、前述の如く芳醇かつ濃厚な味わいに溢れている。
演奏を聴く者は、ただただこの素晴らしい音の洪水に身を任せるのみ・・・。

お勧めは「アダージョ(かの有名なベスト盤)」にも収録されている第3楽章だ。
尚、この楽曲は1960年代のアナログ録音の方もおすすめである。
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by danna307 | 2008-04-20 23:58 | Comments(2)