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人間は非常に勝手な生き物である。
自分が関心がない物には対して、例え相手が一生懸命に尽くしてくれても殆ど覚えていない。
そのくせに、一旦興味を持ち出すと(以前のことは忘れ去って)執拗に情報を求めたがる(笑)。

それは何を隠そう、私のことである。

実は、昨年秋辺りからアナログ熱が少しずつ高まって来ていた。
要するにアナログプレーヤーでのレコード再生をやってみたくなったのだ。

思えば、アナログをやらなくなって何年経つだろうか。
学生時代にトリオ(現ケンウッド)の「KP-800」と言うプレーヤーを使用していた。
まぁまぁの製品だった。
当時、ブルーノートやプレスティッジ、リヴァーサイドの再販モノが多数出た頃で、一連の重量盤プレスをかけては喜んでいたものだ。
けれども、82年のCDの登場は衝撃的だった。
無音から突如として広大なダイナミックレンジの音が立ち上がる、あの感覚。
まだまだ若かった私は本当のレコードの楽しみ方を知らなかったのだ。
換言すれば、スクラッチノイズの向こうにある、本当の音楽を理解出来なかったと言える。
あの頃、買い漁った多数のレコードはその殆どを売り払ってしまった。
そして、僅かながら実兄の所に残存するのみである。
実に勿体無いことをしたものである。

しかしながら、神は何たる偶然を私に与えたことだろうか!
約25年の歳月を経て、私にアナログに触れるチャンスが訪れたのである。
それはオーディオサークル「HaN」を通じてであった。
この集まりが成立した背景は一見、偶然そのものの様であるが、多分に必然っぽい気がするのは私だけではあるまい。
私がアナログへ回帰する意志を持ちつつある現在、時を同じくして他のメンバー二人が私をアナログの世界に引っ張り込もうと躍起になっていたのである(笑)。
そして本日、H氏宅で行われた例会(数えて16回目)に於いて、私は初めてアナログの世界の深遠さに触れたのであった。

H氏のシステムについて今更言及しない。
ただ、氏はアナログプレーヤーを2台お持ちである。
1台は「ノッティンガム・インタースペース」。
もう1台は「ガラード301」。
両機とも言わずと知れた名機である。
何も知らない私は、何故氏がこの2台を併用しているのかさっぱり理解出来なかった。
一方、「HaN」結成後1年以上にわたり氏は私にアナログの素晴らしさを何とかして伝えようと一生懸命だったのだ。
けれども、無知な私は両機の本当の良さを全く理解していなかった。
それはあたかも”ひらがな”が読めない幼児の如くに・・・。

しかしながら、恐らく大きな運命の渦が私たち3人の周囲に巻き起こっていたのかも知れない。
忽然として、私は少し前からアナログの意義を悟ったのだ。
そして、今日の例会において”雷に打たれた”かの如くその深遠且つ素晴らしき世界に目覚めたのである。
音楽は”非接触”では駄目だ。
やはり”接触”のプロセスが無ければならない、と!
そう、”接触”する世界には”愛”が存在するのだ。
アナログの世界には、音楽に対する限りない”愛”があることを今更ながら認識したのであった。
針が音溝をトレースする・・・何と素敵な行為なのだろうか。
音楽を聴く必然性を垣間見たような気がしたのは言うまでもない。

そのようなことを考えつつ、氏の2つのプレーヤーに耳を傾ける。
頭の中は澄み切り、久しぶりに謙虚に音楽を受け入れる態勢が出来ていた。
嘗てはスクラッチノイズが気になって仕方が無かった私は・・・・・もはや存在しない。
その彼方で優雅に奏でられる音楽にひたすら没頭するのみ。

「ノッティンガム」は低トルクと現代的な構造を以て音楽を実在感たっぷりに鳴らす。
一目で英国製と主張するグリーンの筐体はなかなかの雰囲気だ。
そのしっとりとした音と豊富な情報量はCDではなかなか得難いものだろう。
又、トーンアームが2本取り付けてあり、ソースによって使い分けられているのも頷ける。
70年代以降の録音にはまさにうってつけのプレーヤーだと思った。
同時に、「HaN」結成当初にこの音を聴かせて頂いた時、それまでのアナログの概念が完全に覆されたことを鮮やかに思い出したことも付け加えておこう。

一方、「ガラード301」はどうか。
上記でも触れたように、H氏宅でのこのプレーヤーの存在意義を私は全く理解していなかった。
けれども、その意義を今日初めて、しかも鮮烈に把握したのであった。
ガラードの音は熱い!
いや、毛筆の如く”太く、濃い”と表現した方が適切かも知れない。
それは音楽の本質とでも言うべきものだ。
そこでは、ワウフラやSN比その他のオーディオ的スペックは意味がないとさえ思える。
確かに現代的な音ではない。
けれども、それがどうしたと言うのだろう。
目の前で奏でられている音楽は私の心を掴んで離さないのだ!
それは非常に強引な力を以て私を吸引するようだ。
換言すれば、ガラードの音が氏のシステム全体を支配しているかの様だった。
驚くべきパワフルさ。
そして、本質的な響き。
50~60年代の一番アナログが輝いていた頃には最高の伴侶だった筈と私も思う。

氏は上記2つのプレーヤーを当然の如く使い分けておいでだった訳だ。
本当にお見事(!)としか言いようがない。
その点、何と私の目は節穴だったことか(笑)。
ここまで間抜けだったら、本当に笑うしかあるまい!
知らないと言うことは、本当に危険なことだ。
この1点だけでも気付いたことは貴重だと思う。

今日の例会は私にとって、一つの転機となったのは間違いない。
それは今すぐどうこうと言う事ではなく、アナログに対するスタンスが180度変ったと言う事なのだ。
私はこれまで、CD中心の試聴を行って来た。
それは決してアナログから逃避していた訳ではないが、若年期のスクラッチノイズ嫌いがあったが故に勝手にアナログ劣位論者に成り下がっていたのかも知れない。
これからは聴く姿勢が大きく変るだろう。
CDシステムは勿論だが、アナログシステムも積極的に聴かせて頂こうと思っている。
勿論、敬虔なる気持ちを以て・・・。

物事には常に必然性があるそうだ。
実際、私もそう思うし、それを裏付ける様なことも多数経験している。
今回の”アナログ回帰”も恐らく必然なのだろうと思う。
その深遠なる世界に、勉強しながら少しずつ対処していきたい。
同時に、このきっかけを与えて下さった「HaN」のお二人、H氏とA氏に心から感謝の意を表したいと思う。

これからの私のオーディオにおける経験及び評価の座標軸の変化が自分でも楽しみである。
# by danna307 | 2009-01-03 23:00 | Comments(0)

今日、「プレステ2」をラック内に設置した。
引越しする少し前にしまって以来だからおよそ2年ぶりだろうか。

我が家は使わないモノはきちんとしまっておく方なのだが、それが逆に災いして何処にしまったか分からなくなることが多い(笑)。
今回もあちらこちら探し回ってようやく見つかった次第。
けれども、良いこともあってもう一つの室内アンテナも発見された。
早速、リビングのミニコンポに接続してFMを楽しめるようになった。
やっぱり、リビングでFMの音が聴けるのはいい。
■2009/01/02(金) PS2と室内アンテナと_e0002472_10353282.jpg

因みに、システムの前に置かれているのは、サンタさんからの娘へのクリスマスプレゼントである「リカちゃんのミスタードーナツショップ」(笑)。
# by danna307 | 2009-01-02 22:30 | Comments(0)

皆様、明けましておめでとうございます。
元旦の一日、如何お過ごしでしょうか?

最近、当ブログではオーディオ関連の記事が激増しております。
今後もその傾向が続くかとは思いますが、何卒ご贔屓の程、宜しくお願い申し上げます。
■2009/01/01(木) 新年のご挨拶_e0002472_1739191.jpg

# by danna307 | 2009-01-01 17:39 | Comments(4)

昨夜は「HaN」の忘年会だった。
とにかく大盛り上がりで実に楽しい宴であった。
オーディオのみならず、人生論や恋愛論等、話題は多岐にわたり大変有意義な時間を過ごせたのではないだろうか。
やはり、趣味を同じくする人間同士、酒を飲むのはとても楽しい。
来年も更に盛り上がることと思うが、まずはメンバー3人が健康であることを祈願したい。

今日は15時くらいで何とか仕事が終わったので、久しぶりに我が307を洗ってやった。
外見は汚れが酷かったものの、しっかりボディコーティングを施してあるので、水あらい&タオル掛けだけでピカピカだ。
同時に307のデザインの美しさも再認識した。
■2008/12/31(水) 「HaN」忘年会と洗車と_e0002472_19154276.jpg

307よ、今年も良く働いてくれて有難う。
来年も私の良き伴侶として、ともに頑張ろうな!

さて、あと数時間で2008年も暮れる。
皆さんの2008年は如何だっただろうか?
2009年は本年以上に実りある年になる様に共に努力精進しようではないか!

皆様、良いお年をお迎え下さい。
# by danna307 | 2008-12-31 18:02 | Comments(2)

以前、koji4432さん宅へお邪魔したことはお伝えした。
氏は「ブツヨクの地平線」と言うサイトを運営されていたのだが、そこでは所謂”ハイエンド”な世界が氏の真摯な姿勢を通じて熱く語られていた。
残念ながら、今はそのサイトはない。

さて、今度は氏が拙宅を訪問して下さると言う。

我が家のシステムはとても氏のような方にお聴かせするようなものではないのだが、折角ご縁があったので、恥ずかしいながらも快諾した次第。

今日、ご夫婦でお見えになった。
大変美味なお土産も携えて・・・。
そして、日曜の午後のひととき様々な音楽を聴いて頂いた。
氏の、更には奥様の、音楽にかける情熱は並大抵のものではないことが今回も良く分かった。
音楽や絵画、演劇、文学・・・芸術は大変奥が深く、対峙する者はいい加減な気持ちではすまされない・・・それが私の考えなのだが、氏と奥様はまさにそのようなスタンスでいらっしゃるようにお見受けした。

約2時間、あっと言う間のひとときだった。
今度は私が氏のお宅へ赴き、じっくりとお聴かせ願おうと思う。
■2008/12/28(日) koji4432さん来訪!_e0002472_1844790.jpg

koji4432さん、本日は有難うございました。
頂いた素敵なお菓子に夫婦ともどもすっかり夢中になってしまいました(笑)。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
# by danna307 | 2008-12-28 23:58 | Comments(2)