■2008/07/03(木) H氏の新たなSACDP「SA-7S1」

オーディオの同好の士であるH氏がつい最近、新たなSACDPを導入された。
買われた品は何とマランツの「SA-7S1」。
そう、同社の栄光のナンバーである”7”が冠されたモデルである。
製品の詳細は上記サイトをご覧頂くとして、先日開催された我がサークルの第10回目のオフ会における試聴の印象を記しておきたい。

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まず、その重厚且つシンプルな外観に魅了される。
それはSONYの「SCD-1」にも勝るとも劣らない存在感&完成度だ。
上品なゴールド仕上げもなかなか高級感があって所有する悦びを十分満たしてくれそうだ。
フロントから伺える分厚いアルミの構造も本当に美しい。
シンプル極まりない外観同様、操作性も本当に良い。
機能美とはこう言うものを指すのだろう。
「これがマランツの美意識だ!」と言う自信が漲った筐体は、まさにコストが十分にかけられたことを雄弁に語っている。
殆どの人が音を聴く前に、まずルックスと操作性で洗脳されてしまうのではないだろうか(笑)。

さて、肝心の音について触れてみたい。

H氏の組み合わせは次のようになっている。

マッキンプリ「C40」 + 同パワー「MC7300」 + JBLSP「4344MK.2」
そう、定番中の定番の組み合わせだと言えるだろう。
氏はアナログをこよなく愛する方であるが、これまでなかなか納得出来るようなCDPが無かったとのこと。
そして少し前のオフ会の場で、私がSACDの素晴らしさを氏に伝えたところ、氏はSACDのアドヴァンテージをたちまちのうちに理解され、熟慮の末、遂に今回の導入となった次第。
まぁ、簡単に言えば私の”悪魔の囁き”にノって頂いた訳だ(苦笑)。

結論から言えば、本当に素晴らしい音である。

と、これで終わってしまっては面白くも何ともないので若干補足させて頂く。

(1)自然且つ誇張の無い音である。
  高級機と言うのは、まさにこのような機器を指すのだろう。
  目先の表現に囚われない、本質的な表現がそこにある。
  その音は経験を積んだ人間には大いに訴求するだろう。
  実際に自然界において私たちが耳にする音と本当に違和感が感じられない。
  それが例え楽器の音や人の声であってもだ。
  このような音はある意味、最初は”そっけない”と感じられるかも知れない。
  けれども、聴きこめば聴きこむほどにその良さが分かって来るものだと思う。
  私はまず、この点に大いに感銘を受けた。

(2)柔らかく繊細な音である。
  レンジは広い。
  けれども、これみよがしにデモするような音では全くない。
  あるいは緻密なやや硬めの音でもない。
  ともすれば高域がきつくなるようなディスクでも本当に柔らかく表現する。
  しかもかなりの情報量であるにもかかわらず、だ。
  同時にそこにはマランツ独特の美学も感じられる。
  それは”華麗”とか”繊細”とかの陳腐な言葉で表されるものではない。
  豊富な情報量を軸として繊細さと柔らかさが見事に両立した、素晴らしい音だ。

(3)音場感に優れ、音の芯がしっかり表現される。
  まず高級機ならではの前後の広がり感があることを特筆すべきだろう。
  弦楽器の配置が手に取るようにイメージされる様は本当に素晴らしい。
  又、楽器の直接音と空間に放たれる間接音の違いが明確に描写される事にも驚かされた。
  一方、柔らかくもしっかりとした音の芯を表現する様はオーディオ的快感に満ちている。
  そしてここ辺のレベルはこの機種しか表現出来ないのではないか、とさえ思えてくる。
  音自体は暖色系だが決して緩い訳ではない。
  まさに必要にして充分と言う印象だ。

(4)音楽的なSN比に秀でている。
  一般的に、オーディオ的なSN比とは物理的なものを指すだろう。
  しかし、それは時として不自然な静寂をもたらすようにも思える。
  そう、自然界に存在しない静けさに私たちは違和感を覚えるのだ。
  その点、このモデルは違う。
  物理的なSNを超えたものを感じさせる。
  それは確かに一種の空気感であろう。
  けれども、演奏の始まる寸前の僅かなざわめきや演奏終了後の余韻等に本機の独壇場を
  感じることが出来るのだ。
  これはある意味、アナログ的なのかも知れない。
  音楽的な余韻を感じることが出来るデジタル機器と言うのは本当に珍しいと思う。

(5)結論
  国内高級機器メーカーは勿論、海外製品もひしめく価格帯で、本機は明確な個性を持って
  いると思う。
  それは美しく強固な筐体とシンプルなデザインによる強烈な存在感がまず挙げられる。
  一方、非常に誇張の無い、安定感の際立った再生音も指摘されよう。
  同時に、アナログ的な側面をも併せ持つ大変玄人好みの製品だと思う。
  正直、この価格でここまでの音が出せる、と言うことに心底感銘を受けた。
  「SCD-1」が生産中止になっている現在、私なら数ある新品の中から迷わず本機を選択す 
  るだろう。
  そう、本機は何より”音楽”を奏でてくれる。
  私たちは”音”を聴きたいのではない。
  ”音楽”を聴きたいのだ。
  本機はこのような”原点”に私たちを連れ戻してくれる程、魅力に満ち満ちた製品だと思う。

  良い機器を通じて音楽に耳を傾け人生をより豊かなものにする・・・本機はまさにその行為の
  為に存在すると言えよう。
  この田舎では本機を試聴することはまず不可能だ。
  このような素晴らしいSACDPの導入を決断されたH氏に心から拍手を送りたい。
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by danna307 | 2008-07-04 00:12